タイトルイメージ



なかんじょ劇団 Art Works



なかんじょ劇団 アートポートフォリオ

 



 

STATEMENT

土に宿るもの。

土に触れる。その肌触りや匂いから様々な記憶が蘇る。

利根川や吾妻川で遊んだ記憶。

遠くに白根山を眺めながら、榛名山や赤城山に囲まれて育った記憶。

からっ風に吹かれ、霜が降りる冬の日も照りつける太陽が眩しい夏の日も夢中で芸能に勤しんだ記憶。

DNAから肉体を通り越して、脈々と受け継がれている土の記憶。

上州に生まれ、上州に育った私の芸術の源泉は土の「記憶」を辿るところにある。

 

吾妻川に記憶の源流を辿り、中之条の森の中に佇む。

風が種を運び、雨が降る。

土から芽が吹き、木が生え、実がなり、枯れる。枯れ草は土に還り、また風が吹く。

自然が育んできた時間の流れはダイナミックに再生を繰り返す。

その再生の瞬間に、歌や踊りなどの芸能が生まれる。

 

ここでは何かを作り上げる必要がない、

ただ余計なものを削ぎ落としていくこと。

そこに残ったものが自ずと作品になる。

 

2011年から3期に渡り、中之条ビエンナーレに参加して、中之条の人と自然とアートの「魅力」を感じることができた。私が暮坂の山中に発表した作品「失われた民族Gの遺構群」におけるGとは、まさしく、わたしそのものでもあり、中之条に暮らす人々であり、群馬県人や日本人であったりもする。遺構群には、過去はもちろんのこと、未来から浮かび上がったメッセージが込められている。わたしなりの「魅力」への応答である。また地元の民話や歴史を題材にして、「TSUMUJI能」や「暮坂野焼き能」などの脚本・演出・音楽などや地元の雅楽やジャズのバンド等と小鼓のセッション演奏をつむじで行い、中之条における芸能やパフォーマンスの可能性を感じた。それらの経験は20132015年のオープニング、クロージングイベントのディレクター及びなかんじょ劇団の演出を務めるに当たり、大変役に立った。地元の人たちにインタビューを行い、ワークショップを重ね、その話の中から「栗の木」の神話と「未来少年ジョーの物語」を創作した。物語を基本に、地元の人たちに手伝って頂き、唄や踊り、音楽、儀式に満ち溢れた独特の中之条ビエンナーレにおける「祭り」を開催することができた。

中之条ビエンナーレ2017においては今井尋也+なかんじょ劇団として参加し、旧伊参小学校のランチルームにてワークショップ、ランチミーティング、展示、舞台公演を行い沢山の来場者に恵まれました。

2017中之条ビエンナーレ作品のための考察
作品名「中之条の光と影」

廃校になった伊参小学校の教室の窓から沢山の光が溢れ、
その光が教室の物体に照射されて影が生まれている。
古びた床面に無数の影が映し出される。
光と影はこの土地特有の物語を語りかけてくる。
投影、接触、反射という名の三つの物語。
それらはいずれも異なる世界を繋げている。
投影はあの世とこの世を。
接触は聖なるものと俗なるものを。
反射は現実と虚構を。
これはまさしく、私が幼い頃より関わってきた能楽の舞台そのものでもある。
私の過去と現在が、光と影によって渾然一体となる瞬間。
教室の外に設置された鏡から太陽光が照射され、
窓面に施された切り絵を通過して、教室の奥の壁面に無数の影が現れる。
地球の自転のスピードと共にその影が刻一刻と変化していく。

 

なかんじょ劇団   


PROFILE                       JINYA IMAI 今井尋也(いまいじんや)

 

略歴

今井 尋也(いまい じんや) マルチパフォーマンスアーチスト

作家・演出家・俳優・音楽家(小鼓)・国立音楽院邦楽科、演劇科講師

幼少より祖父から能楽を学び、十代で初舞台。

群馬県立前橋高校卒業。在学中から美術部にて平面や立体の作品製作に没頭する。その後、国立能楽堂研修生・多摩美術大学身体造形学科・東京芸術大学音楽学部邦楽科能楽専攻を卒業後、渡仏し、現代演劇と現代美術を学ぶ。帰国後、日本の古典と現代の身体性を兼ね備えたパフォーマーとして、コンテンポラリーダンスの舞台や東京国際舞台フェスティバル、ブレヒト演劇祭等の舞台で活躍する。2000年「メガロシアター」を主宰し、現代演劇の演出家として活躍する。いわゆるストレートプレイの枠には収まらず、ダンスや音楽、ハプニング的なパフォーマンスの要素を多く含んだ舞台を手掛けている。舞台も劇場だけではなく、演劇の社会性をより強く意識させる場所での公演が多い。近年ではアウトリーチ活動にも積極的に参加し、障害者の施設や小中高の授業で演劇やドラマセラピーを教えている。また、新作能やオペラの脚本・演出・音楽も多数手掛けている。(14年『少年たち』天正遣欧少年使節を描いた大分市民ミュージカル13年『水軍女王』瀬戸内国際ビエンナーレ正式参加作品12年『地獄門』ロダンとカミーユ・クローデルを描いた渋谷区民オペラ09年『ウインダーキッズの大冒険』狐の民話より小平市新作オペラ08年『基板』甲府創作能/05年『ほりきり沢の龍』六合村田舎能、他)

尚、舞台活動と平行して現代美術の作品製作を活発に行っている。

活動年譜

 

 

1990.4

前橋高校美術部 デッサン作品展/群馬県前橋市     グループ展

1993.10

今井尋也写真展/東京藝術大学特別展示室           個展

1999.12

「カクコト」/詩と映像によるインスタレーション

/青山300日画廊           個展

2002.7

「メガロポリストウキョウ」/詩と映像とパフォーマンスによるインスタレーション

/青山 時限美術計画TLAP        個展

2008.11

「ハストコエ」/詩と映像とパフォーマンスによるインスタレーション

/茅場町GalleryGallery     個展

2009.7

 

縄文ハニワパン」/縄文石釜と麦畑とハニワパンパフォーマンスによる

インスタレーション/横浜           個展

2011.2

 

「鏡文字」/鏡文字によるインスタレーション/東京渋谷ギャラリールデコ

2011.10

 

「失われた民族Gの遺構群」展/中之条ビエンナーレ2011

2013.8

 

オープニング・クロージングイベントディレクター/中之条ビエンナーレ2013

2013.8

 

創作能『水軍女王』演出・音楽/瀬戸内国際ビエンナーレ2013

2015.8

 

オープニング・クロージングイベントディレクター/中之条ビエンナーレ2015

2017.8

 

演劇公演および及び展示「中之条の光と影」/中之条ビエンナーレ2017

他 展示及び舞台美術多数


なかんじょ劇団作品集@                         NakanjyoTheatre ART WORKS

2013中之条ビエンナーレ参加作品  中之条ビエンナーレオープニング・クロージングイベント

 

 


なかんじょ劇団作品集A                         NakanjyoTheatre ART WORKS

 

2015中之条ビエンナーレ参加作品 中之条ビエンナーレオープニング・クロージングイベント


なかんじょ劇団作品集B 
NakanjyoTheatre art works

2017中之条ビエンナーレ参加作品 「中之条の光と影」


 

2017jinya_imai_artprof.pdf へのリンク